トレーニングを毎日頑張る皆さん、こんにちは!
4回にわたる女性アスリート編もこれで最後になります。
結構当たり前のことをクドクド説明しているのですけど
この当たり前ができている人が少ないのです。
すでに知っている人はもちろん、取り組んでいる人ももちろん
常に頭の隅に置いておいて問題はないと思います。
さっ、今回は1万文字です…
最後まで飽きずに読んで下さると嬉しいです。

1,コンディショニングについて考える

コンデイションとは体調,健康状態と訳されることが多い

風邪を引かないようにという程度に捉える人も多いですが

意外と守備範囲は広く,結構重要な意味を持ちます。

コンディションニングの意味を言うのであれば

「ピークパフォーマンスに向けて,心も体もベストな状態に持っていくためにできる,ありとあらゆること」です。

体調管理はもちろん,トレーニング方法,食事内容,休息や睡眠まで,アスリートに関わる全てです!!

女性であれば月経周期に向き合うことも重要です。

⚪︎健康と体調の良さが,勝利への土台

全ての努力は「勝利」のためにあります。

それは相手に勝つ,優勝するだけではなく,自己ベストを出す,最後までやり遂げる,なんてこともそうでしょう。

試合で最大の結果を出すことがアスリートの宿題です。

アスリートでない場合には自身の体がより良い状態を保つことが宿題としましょうか。

ですので,体調が悪いなどはあってはならないのです!!

健康であることを大前提として,もっといい結果を引き出せる肉体と精神状態でなくてはなりませよ!

さらに,日々の練習などでベストコンディションを維持できなければ,試合当日の練習よりもいい結果は出ません。

練習からベストを出せる状態で行っていくことが大切なのです。

怪我を我慢しながらやるのが美徳とされていますが,

実際に競技力は向上するのでしょうか?

とても疑問が残ります。

女性であれば,月経痛を我慢しながら全力を出しきれない状況で日々の練習を取り組んだところで何か良い結果に結びつくのでしょうか?

日々を良い状態で過ごすために必要なのがコンディショニングです。

毎日のトレーニングと同じくらい大切なのですよ!

ってことを忘れないように

⚪︎女性のコンディショニングに必要な三つの条件

1,栄養

 ⚪︎栄養について正しい知識を持つ

 ⚪︎利用可能エネルギー不足ならないように

 ⚪︎骨粗鬆症,貧血などを防ぐ栄養素をとる

 ⚪︎3度の食事と捕食をしっかり取る

2,正常な月経周期

 ⚪︎自分の月経周期を把握してスケジュールを立てる

 ⚪︎月経痛,PMS,過多月経などを改善

 ⚪︎無月経の場合は専門家に相談

3,休息

 ⚪︎オーバートレーニング症候群を予防する

 ⚪︎適切な睡眠,休息の取り方について知る

この3つを確実に満たしていれば、そこまでコンディションを崩すことはないでしょう!
細かいところを見ていきましょう。

2,コンディショニングの基本は食事!

第一は食事の見直しです。

中でも重要なことは『自分の1日のエネルギー量の収支を把握する』ことです。

それが,利用可能エネルギーの不足の予防や改善になります。

⭐️一日中に必要なエネルギー量の計算をしてみましょう

一般的に

体重(kg)×基礎代謝基準値×活動レベル=必要摂取カロリー

表は女性の基礎代謝基準値になります(厚生労働省)

 年齢 基準値
8〜9歳38.3
 10〜11歳 34.8
12〜14歳29.6
 15〜17歳 25.3
 18〜29歳22.1
 30〜49歳 21.7
50〜69歳20.7
 70歳以上 20.7

活動レベルは

レベル 1

生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

レベル 2

座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

レベル 3

移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

活動レベル(18〜69歳を対象にした指標)日本医師会

男女共通です。

 年齢 レベル1 レベル2 レベル3
8〜9歳1.41.61.8
 10〜11歳 1.45 1.65 1.85
12〜14歳1.51.71.9
 15〜17歳 1.55 1.75 1.95
18〜29歳1.51.752
 30〜49歳 1.5 1.75 2
50〜64歳1.51.752
 65〜74歳 1.45 1.7 1.95
75歳以上1.41.65

例を挙げて見ましょう。

年齢50歳,女性,体重45kg,トレーニングを週に4回行っているとします

45kg×20.7kcal×2.0=1863kcal

がトレーニングをしている日の必要カロリーです。

意外と多く食べられるなーって思いました?

でもね,サイゼでハンバーグ定食を食べると

それだけで約900kcalほどあります。

さらにみんなの好きなス⚪︎バのキャラメルフラペチーノは

tallサイズで302kcalです。

この二つで1200kcalなので意外とすぐに1800なんて超えますわ。

ってことで。

さらにお菓子とか食べるのが好きなのであればあっと言う間に

2000 オーバーだ

普段の食事を見直してみてね

☑️こんな食事をしていたら注意(チェックリスト)

☑️ご飯パン麺類などの炭水化物は食べない 

☑️ どうしても甘いものが食べたい時には食事の代わりにお菓子やケーキを食べる

☑️ こんにゃく麺や寒天など,カロリーの低いものを常に選ぶ

☑️ 菓子パンやスナック菓子など,重さの軽い食品を選びがち

☑️ パスタやどんぶり物など,一品で済ませることが多い

☑️ 肉が大好きで,魚はほとんど食べない

☑️野菜は野菜ジュースでとっているから大丈夫

☑️ 練習で帰宅する時間が遅くなるので,夕食はほとんど食べない

3,タフな女性アスリートをつくる食材は?

You are what you eat.

あなたは,あなたの食べたものでできている。

もちろん食べたものがそのまま,筋肉の一部になったり

摂取した油がそのまま体脂肪になる訳ではありません。

いろんなものが消化されて分子レベルまで分解されてから体内に吸収されます。

結局は食べたものが,身になるのです。

中でも重要なものは

糖質,タンパク質,脂質の三大栄養素です。

これらは生命維持に必要なエネルギー源になり,体をつくる材料となります。

ここにビタミンやミネラルという微細栄養素を追加すると

五大栄養素と呼ばれます。

これらは私たちが「健康に生きるために必要な栄養素」となります。

何か一つ欠けてもだめですのでバランスよく食べることが重要になります。

何をどれくらい食べた方が良いのかー

っていうのは個人差があるので一概には言えませんが

こんなの食べておいた方がbetterじゃないかなっていうのがあります。

簡単にまとめますね。

⚪︎こんなのを食事に取り入れてみて食材

カルシウムが豊富な食材
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻

コラーゲンが豊富な食材
エビ、カニ、ホタテ、牛すじ、鶏軟骨、豚足

タンパク質が豊富な食材
肉・魚・卵・大豆製品

ビタミンDが豊富な食材
魚類 やきのこ

マグネシウムが豊富な食材
藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類

鉄分が取れる食材
レバー(豚レバー、鶏レバー、牛レバー)や牛もも肉などの赤身の肉、かつおやまぐろなど赤身の魚

4,理想は?

主食+主菜+副菜2品+汁物+もう一品(フルーツとかヨーグルト)

主食=ご飯やパンなどの糖質

主菜=肉,魚,豆腐などのタンパク質

副菜=サラダ,煮物,海藻,きのこなどの微細栄養素と食物繊維が取れるもの

もう一品=足りない栄養素を補うように設計してみてください

うわー…

めんどくせーって思いますよね。

まじで面倒ですよ。

こんなの毎日できない。

そんなあなたにおすすめのサプリはこちら!!

全ての栄養素が取れる完全栄養食品だーーー。

なんて謳い文句がありますね。

まじで意味わからん。

生きていけなくないと思うけどね。

別に点滴だけでも生きていけるでしょ?

でも,それ以外の能力が落ちると思うんですよね。

消化吸収に手間をかけることで内臓の働きが良くなり

より栄養の吸収が良くなったり,微細栄養素を摂取できることで

様々な腸内細菌の餌になったりします。

食事に多様性を持つことで体は育んでいくのだと思っております。

これだけ食べておけばOKなんてものはないのです。

経験値を貯めるように,色々なことを体は経験した方が

絶対に強くなっていくと思うのですよね。

とわ言っても面倒なことには変わりがないので

できることから始めてみましょう。

おにぎりだけだった食事

ゆで卵を追加したり,

昨日作って置いた野菜スープを取り入れたりしてみては?

最近はインスタントのものもありますのでそちらでも大丈夫です。

まずは,一歩からです。

⚪︎例

朝食

ご飯,お味噌汁,焼き魚,海藻サラダ,果物

お昼

おにぎり,豚汁,ゆで卵,サラダ,ヨーグルト

中華麺,お鍋(野菜と魚が入ったもの),フルーツ

なんかにすると良いでしょう。

お昼をコンビニで考えている場合には結構高く付きます。

合計で700〜1000円くらいかかってしまいますね。

なので極力自炊をお勧めいたします。

⚪︎捕食(間食)とは

〜トレーニング前後には炭水化物とタンパク質を摂取〜

激しい練習を重ねる中で,3回の食事だけで必要な栄養素を取り切るのは難しいです。

(ボディビルダーは一日5〜6回ほど食事を摂りますよ!)

なので,食事の間に食べる捕食を味方につけましょう…

あくまで「おやつ」ではなく足りない栄養素を補う食事だということを忘れないでくださいね!!

意識して摂取したいのは

炭水化物=エネルギー源として

タンパク質=筋肉のリカバリーとして

を意識して摂取したいです。

トレーニング前なのであれば,100%のフルーツジュース,和菓子,カステラなんかがお勧め

タンパク質は,プロテインですね。

固形のタンパク質はトレーニング1時間半以上前に摂取し終えてください。

一般的にお肉などのタンパク質は完全に消化されるまで4〜5時間ほどかかると言われていますので

消化不良を起こしてしまいます。

生卵や温泉卵は2時間半ほどで吸収されるので早めの吸収をしたいようでしたらお勧めです。

特にステーキや唐揚げなので油っぽいものは消化に時間がかかるのでお勧めできません。

バター単体ですと消化に12時間かかるようです。

ちなみにスナック菓子はお勧めできません。

ナトリウムとリンが多く含まれていて,カルシウムの吸収を妨げるからです。

リンは骨の材料にもなりますが多すぎると問題になります。

リンとカルシウムが相互に作用して骨を形成しています。

ちなみにカルシウムが多すぎても骨は脆くなりますよ。

カドミウムが問題で起こったイタイイタイ病って知ってます?

あれは,カドミウムがカルシウムの再吸収を阻害して骨が軟化してしまうため。

⚪︎脱線

逆に腹持ちを良くしたい時には油っぽいものが効果的です。

適度に脂質を摂取することで吸収を遅らせることができます。

最近は,ベジタブルファーストからミートファーストに切り替わってきていたりしますよね?

お肉から食べることで,血糖値の安定を促すってやつです。

正直あまり変わらないような気もしますが,油物から摂取した方が急激な血糖値の上昇を抑えてくれるようですよ。

私見ですが

ベジファーストの方が良いと思っております。

なぜなら,いきなり油物を摂取すると私自身気持ち悪くなってしまうことが多いので

野菜→お肉→ご飯の順番で食べております。

野菜の持つ食物繊維が胃をカバーしてくれるような気がします。

胃に入っちゃえば一緒ですけどね。

ちなみに効果的なのは野菜やお肉を食べてから20分後にあたりにご飯を食べるのが

血糖値の上昇を抑えてくれるので,どっちにしろ20分後になれば良いです。

コース料理とかでもご飯は最後ですよね?

そんな感じでご飯も最後に楽しんでくださいね。

5,月経周期タイプ別,コンディションニング法(指導者に読んでほしい!)

月経周期に伴う女性の心身の変化は,練習や試合でのコンディションを大きく左右します。

しかも月経周期や月経前に感じる症状や,その強さ,不快さは個人差がとても大きいのです。

男性指導者にとって月経は未知の世界ですが,月経の多様な悩みについて理解していただくことが,パフォーマンス向上の第一歩だと思います。

女性指導者の場合には「私とあまり変わらないのではないか」と考えてしまいがちです。

(実際にトップ選手の多くは月経に対してあまり影響を受けないタイプの選手が多いようです。)

選手1人1人を丁寧に観察することの助けになれば幸いです。

4タイプ別診断

なぜか4タイプに分けることが多いのですよ。

実際に統計を取ると大まかに4種類に分けられることから4タイプって結構使うことが多いようです。

4タイプ理論って多いのは分類しやすいかららしい。特に意味はないとのこと。

🔸Aタイプ(月経周期の影響を受けないタイプ)

月経によってコンデイションの変化を感じることがあまりないタイプ。

月経も軽く,月経前に不調になることもあまりない羨ましいタイプ。

ですが,年齢によって感じ方が変化しますし,妊娠や出産で変わることもあります。

あまり影響がないから気にしなくていいわけではなく

月経周期の中で自分の心や体がどう変化するのか目を向けることが必要です。

私は月経中でも頑張っているのに,他の子は怠けている!

なんて思わないようにしてくださいね。

優しい言葉をかけることができるような女性でいてください…

🔸Bタイプ(痛みやつらさがあるタイプ)

月経中に痛みや不快さを感じるタイプ。

腹部痛があったり,頭痛や腹痛に悩まされていたり,

下腹部に張り,吐き気,だるさなどを感じているかもしれません。

痛みが強い時には,鎮痛剤を飲んでいますか?

痛みがギリギリまで我慢して痛みがピークになってから飲むよりも,痛みを感じ始めたら

できるだけ早く服用しましょう。

痛みの原因となるプロスタグランジンという物質を作らせないこと方が良いのです。

「薬を飲むとクセになるから」と考えている人もいますが,1ヶ月に数回服用する程度であれば,クセになることはありません。

もしも,鎮痛剤が効かないような痛みがあれば,練習や日常生活に影響が出てきます。

月経困難症かもしれません。

産婦人科の受診を考えてみてください。

月経なんて誰にでもあるものと我慢するのではなく,専門家のアドバイスは有効ですよ。

🔸Cタイプ(月経前に体にトラブルが現れるタイプ

月経前になると,体が重く感じられたりすることがあるタイプ。

胸が張って痛かったり,下腹部が重くなったり,腹痛や肩こりが酷くなるという人もいます。

中には,肌荒れやニキビ,なんとも言えない怠さに悩まされることもあるのでは?

このような症状を生理前症候群(PMS)といいます。

それが体の方に強く出る傾向があるタイプ。

月経前から月経中にかけて,体重が増加するという人も少なくありません。

女性ホルモンの影響でからの水分量が増えることが原因ですので

体脂肪が増えているなどと心配することはありませんよ。

月経周期によって自分にどんな不調が出てくるのかをメモしておきましょう。

月経前に体重が増えて,終わる頃に体重が元通りになるのであれば不要なダイエットをしなくても良いですよね?

症状が辛い時には,専門家にアドバイスを受けることをお勧めいたします。

🔸Dタイプ(月経前に心にトラブルが出るタイプ)

月経前になると,気持ちがどんよりとしたり,ネガティブなことを考えたりしてしまう傾向があるタイプ。

これもPMSが原因とされています。

精神面に影響が出ることもPMSの一つの特徴です。

怒りっぽくなったり,落ち着かなくなったり,集中力が低下することもあります。

イライラしやすい?マイナス思考?って思うことがあるかもしれませんが

女性ホルモンのせい。性格の問題ではないと思ってください。

自分の周期を理解して「排卵過ぎたから,そろそろイライラしやすい時期が来るな」

とPMSを迎え撃つ気持ちが大切ですよ。

この時期には,カフェインは控えて,ストレスになるようなことを極力避けたいものです。

このような症状が日常生活に影響を及ぼすようであれば月経不快気分障害(PMDD)かもしれません。

自己コントロールがきかない,寝れない,落ち込みが激しいなどがあれば

一度産婦人科に受診してみましょう。

🔸Eタイプ(B〜Dのミックス型)

月経中にも,月経前にも悩みが出てしまったり,体にも心にもトラブルを抱えてしまったりするタイプです。

あるいはすべての症状が少しずつ出てしまうタイプかもしれません。

もしかすると,自分の月経周期についてあまり深く意識していないということもあるかもしれません。

まずは,月経日記をつけてみてください。できれば基礎体温も。

2周期ほど日記をつけると体調の良し悪し,イライラしやすいなどということがわかるかもしれません。

B〜Dの中で自分に合いそうなアドバイスを参考にして見てください。

「月経痛が1番辛いから,Bタイプのアドバイスが役に立ちそう」など,上手に活用できると幸いです。

すべての症状でいえることは,無理せず周りの信頼できる人に相談することが大切ですよ。

無理しないでください。

⚪︎月経のくる日を早めに知る方法は?

基礎体温を測るのが確実!体温が下がったら月経到来

月経は周期的にくるものですから28日周期の人なら理屈では

ある程度予測ができます。

ところが正しい周期で回るケースは少ないものです。

特に月経が始まって5年以内の10代であれば,数日ずれる,数週間ずれることもやむをえないこと。

記録しておくことでそれを目安に次の月経を大体この時期だろうと予測することができるからです。

正確に月経開始を知るには,基礎体温を測定することが1番です。

月経は基礎体温が高温期から低温期へと変化するときに始まります。

前日よりもカクンと体温が下がったら「今日か明日に月経がくる」と思って良いでしょう。

そのようにして月経周期を理解していれば,産婦人科を受診する時にも役に立ちます。

⚪︎おりものの変化にも目をむけて

指導者がわざわざ聞くと気持ち悪いので絶対に聞かないでください。

普通にキモいです。知識として。

排卵期が近づくとネバネバした透明なおりものが増えます。

排卵が終わって黄体期に入ると,おりものは白っぽく量も減ります。

月経直前はさらに減り,やや茶色がかることもあるようです。

6,試合に向けた月経対策は?

低用量ピルを服用することで月経周期をコントロールできる。

試合や練習日程に合わせて月経をずらしたい時に頼りになるのが

低用量ピルです。

正式には経口避妊薬(OC),低エストロゲン・プロゲステロン配合薬(LEP)と呼ばれるホルモン剤です。

これを飲んでいる間は月経がきません。

服用をやめると2〜3日で月経がきます。

この働きを利用して,月経を早めたり,遅らせたりすることができます。

年間を通じて,試合のスケジュールと月経のタイミングを調整することが可能になります。

低用量ピルを飲むことで,卵巣から分泌される女性ホルモンが低下するため,月経困難症やPMSが改善されよ場合も多いです。

ただし,副作用が出るかは個人差があります。

服用を始めて,1週間くらいは,吐き気や頭痛,下腹部の痛み,乳房の張りなどがみられたりすることもあります。

目標とする試合の2〜3ヶ月前には服用を始めて様子を見たいところです。

副作用は飲み続けている内に改善することが多いようですが,くれぐれも無理なさらないように。

副作用が辛いようでしたら,医師と相談して服用を考え直してください。

低用量ピル市販されていないので,産婦人科を受診して処方を受けましょう。

海外では市販されていてるポピュラーな薬になっています。

日本ではまだ馴染みが薄い薬となっています。

これは日本が遅れているからとかではなく,ホルモンを投与するので

正しい服用方法や副作用の理解を促すためだと思っております。

具体的な調整例はあるのですが記載は控えさせていただきます。

あくまで,一例なので必ず産婦人科で個別に説明を受けた方が良いからです。

7,月経周期でアスリートが気をつけること

月経中だからパフォーマンスが低下するとは限らない。

月経はコントロールできますが,闇雲にずらす必要はないのです。

月経困難症やPMSがある,経血がどうしても気になるという場合には必要かもしれません。

月経周期による心身の変化が小さい人は,月経時でも問題なく結果が出せるはずです。

黄体期で心身の状態が悪くなる人もいますが,卵胞期と比べて

持久力の指標となる最大酸素摂取量などの数値には優位さはありません。

黄体期の方が脂質を分解してエネルギーにする率が高いこともあり,長時間の持久力を必要する運動は黄体期の方が有利かもしれません。

⚠️注意したいのは

暑熱環境での運動

体温が0.5度ほど高くなるので,体温が上がると皮膚の血管が拡張して,筋肉への血流が悪くなるため,持久力が問われるスポーツのパフォーマンスが低下する可能性があります。

暑熱時のトレーニングや試合は,月経周期を考慮する必要があると思います。

冷房の効いたところでトレーニングすれば問題ないので

可能であればトレーニングジムなどで行うと良いですね。

❔なぜ体温が高くなると皮膚の血管が拡張するのか?

これは,体温調整のためです。

体温の上昇を抑制するために皮膚に血液を回して体を冷やそうとするわけです。

皮膚に血液が回るってことは,筋肉への血流が少なくなって酸素や栄養

さらには疲労物質の除去が滞ってしまう。

ってことで持久力が低下するのです。

簡単に説明するとこんな感じ。もっと詳しく知りたい人は調べてくださいね。

8,オーバートレーニングについて

過剰なトレーニングによってパフォーマンスが落ちて,短期間では回復できない状態のこと。

休息が不十分な場合に起こるので適切な休息を設けてあげることが大切です。

特に真面目な選手ほど陥りやすいので,自分の体に正直になって回復する時間を設けてあげましょう。

こんな症状ないですか?チェックリスト

☑️ 頑張っているのに競技の成績が落ちる

☑️疲れやすくなる

☑️立ちくらみがする

☑️寝れない

☑️食欲不振

☑️情緒不安定

☑️安静時心拍が上昇する

などがありましたら注意ですよ。

⚪︎予防するには?

1番は体力レベルにあったトレーニングを行うことです。

ちなみに,体力向上のための練習の目安は週に3〜5回とされています。

少ないと感じるいるかもしれませんが

そもそも,6回以上もトレーニングをすると逆に怪我や病気のリスクも高まると言われております。

一流の選手が,毎日練習して私は強くなった。的なことを言ってることもありますが

それはその人が遺伝的に回復能力が高いタイプであって,高頻度でトレーニングができる体質だったということもありえるので一概に言えないのです。

一流選手のマネをすることはとても良いことなのですが,自分に合っていないと思ったら別の方法も試して見てください。一つに縛られることはないのですよ。

マネするってことは学ぶってことなのです。色々試して『まねぶ』をしてください。

⚪︎ちなみに疲労回復した目安は

朝起きた時に疲労感がなくなっていれば回復したことの目安です。

9,休息はどのようにとる?

休息には二種類あります。

『アクティブレスト(積極的休養)』と『パッシブレスト(消極的休養)』があります。

消極的休養は、単純に体を休めることです。

アスリートは身体的疲労感が強いため、まずはこちらを優先してくださいね。

ただし、寝ているだけでは血流が滞ってしまうので

ストレッチやマッサージを取り入れることをお勧めします。

もっとも重要なのは、睡眠です。

女性の場合は黄体期に夜の睡眠が浅くなったり、日中に眠気に襲われたりすることもあるので

注意が必要です。

アクティブレストは

軽い運度を伴うような休息です。

軽く走ったり、軽く歩いたりする有酸素運動をすることで血液循環を良くして

酸素を体内に取り込んで溜まった疲労物質を取り除くことが目的です。

精神的なリラックス効果も期待できます。

特に運動不足気味な人はアクティブレストを取り入れることをお勧めします。

仕事で疲れたーって時も運動すると気持ちよかったりしますよね?

これはFF(ファティーグファクター)とFR(ファティーグリカバリーファクター)の関係でもあります。

また別の記事で書きます。

⚪︎睡眠について

慢性的な睡眠不足は体内ホルモンの分泌に関わってくることが研究でわかっています。

ある研究では、4時間睡眠を2日間続けただけで、10時間眠った日に比べて食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減少しました。

また、食欲を上げるホルモン(グレリン)の分泌が増え食欲が増加することがわかっています。

(睡眠時間が短いので体の回復が追いつかないため、食事よって回復しようと食事量を増やすのかもしれませんね)

なのでダイエットをする人にとっても睡眠は大切なのですねー

睡眠時間が短い人ほど、太りやすい傾向にあると言われておりますので

疲労回復だけではなく、体の管理としても睡眠は大切です。

夜にスマホなどを見る時間を控えて少しでも早く寝る習慣をつけていきましょう。

まとめ

コンデイションを整えるためには3つ

⚪︎食事

⚪︎月経周期を考慮した計画

⚪︎適切な休息

が大切です。

どれが欠けても体調は優れなく、ベストなパフォーマンスを出すことは難しいでしょう。

すぐに生活習慣全てを変えることは難しいと思いますので

少しずつ取り組めることを増やしてみてください。

・食事であれば、スナック菓子を控えて、タンパク質と糖質のあるものを摂取する。

・月経であれば、まずは日記をつけてみる。自分のタイプを知ること。

・休息であれば、朝の体調のチェック。睡眠時間を何時間取れているのか確認する。

というところから始めてみてはいかがでしょうか?

ということで
全4回の女性アスリート編が終了しました。
大変でしたね。お疲れ様でした。
なぜこの記事を書こうと思ったのかというと
パーソナルトレーニングによる女性の健康被害が多発しているということで書くことにしました。
指導する上で大切なものは結果と安全です。
トレーナーはお客様を導く役目を担っているのですからね。
目的地に行くための飛行機の安全性に問題がある場合に、その飛行機に乗りたいですか!?
いくら安くて、早く移動できる乗り物でも安全じゃなきゃイヤじゃないですか?
早く目的地に到達することも大切ですけど、安全性も大切でしょう。
自分の身を預けるのだから、
そしてトレーナー(指導者)は預かっているのだから
責任と自覚を持とう。

慢心せずに一緒に常に学んでいきましょう。