いつも一生懸命トレーニングをしている皆さん、こんにちは!
今回は女性アスリート特有の身体の変化について簡単にまとめてみました。
女性と男性はどう違うのか?
1. 思春期からの体の変化
⚪︎思春期(12〜15歳頃)が訪れると、女性と男性の体には明確な違いが出てきます。男性は体が大きくなり、女性は丸みを帯びた体形になります。
これらの違いは、主にホルモンの働きによるものです。
⚪︎ホルモンは私たちの体の多くの部分に影響を与え、女性の場合、その影響は月経の始まりから閉経まで続きます。
これらの違いを理解し、体の変化に適切に対応することが、怪我の予防とパフォーマンスの向上につながります。
2. 女性ホルモンの影響
⚪︎女性ホルモンは私たちの体の各部分に影響を与えます。
それは妊娠や出産ができるという女性特有の能力だけでなく、筋肉や骨、内臓などにも影響を及ぼします。
⭐︎女性ホルモンのバランスを崩すような無理なトレーニングや食事制限は避け、ホルモンの働きを考慮したトレーニングを行うことが重要です。
3. 筋肉量と筋トレ
⚪︎女性の筋肉量は、男性よりも少ないことが一般的です。
ですが、それが筋トレをする意義をなくすわけではありません。
むしろ、筋肉量が少ないからこそ、適切なトレーニングで効果が現れやすいのです。
だからと言って男性と同じようなトレーニングをするべきではありません。
女性特有の体の状態を考慮したトレーニングが必要です。
(女性は男性の筋力の約70%ほどと言われている,上半身は半分ほど。)
4. 体脂肪とその重要性
⚪︎女性の体脂肪率は、男性よりも高い傾向にあります。
しかし、これは脂肪が「邪魔」だからではなく、女性の体が必要としているからです。
脂肪細胞は酸素や栄養素を運び、健康を保つための重要な役割を果たしています。
無理に体脂肪率を下げすぎると、健康に影響を及ぼす可能性もあります。
適切な体脂肪率(女性であれば12%以下にならない)を維持することが重要です。
⭐︎一般的に女性は20〜30%ほどの体脂肪が適正と言われております。
5. 月経と妊娠・出産
⚪︎女性の体は、月経と妊娠・出産という能力を持っています。
これは女性だけが経験する神秘的なプロセスであり、同時に体への大きな影響も与えます。
⭐︎無月経が続くと、将来的に妊娠や出産の可能性が低下する可能性があるため注意が必要です。
6. 心理的な特徴に性差はあるの?
⚪︎男性と女性では、自分自身や他人から評価を得るためのモチベーションの源が異なることがあります。
男性は試合に勝つことを最も重要視する勝利至上主義ことが多いですが、女性はチームと一緒に頑張ることを重視します。
これは、一般的な傾向であり、個々の差は大きいことを念頭に置いておいてください。
⭐︎女性アスリートは、指導者や仲間からの励ましや承認を通じてモチベーションを高めることが多いです。
女性は指導者の指示を素直に受け入れる傾向(コーチ受容性)があり、努力そのものを評価し、周囲との調和を保つことを重視します。
また、恐怖心や不安感を感じることが男性よりも多い傾向があります。
7. 女性アスリートに顕著な健康障害がある
⭐︎女性アスリートは、「女性アスリート三症候群」なる特定の健康問題に直面することがあります。
これらは
①利用可能エネルギー不足
エネルギー不足は、運動量が食事摂取量を上回ることで生じ、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
②視床下部性無月経
視床下部が栄養状態やストレス状況に基づいて生殖活動を停止することで生じる、月経の欠如を指します。
③骨粗鬆症
骨密度が低下し骨折しやすくなる状態を指します。
8. 体が熟成することで壁にぶつかることがある
⚪︎思春期の成長と発育により、体形の変化が生じ、それまでできていた動作ができなくなることがあります。
⭐︎体の変化を受け入れ、体のバランスに合った筋肉をつけてコントロール力を高めることが重要です。
ポイント
- 〜8歳,男女差はあまり見られない
- 8〜12歳,発達の個人差が大きい。胸がふくらみ始め,初経前に背が伸び始める
- 12歳〜15歳,多くが初経を向かえる。皮下脂肪が増えて丸みのある体型に
- 15〜18歳,卵巣機能が発達して月経が安定する。妊娠,出産が可能になる
9. 女性アスリートは男性よりも劣るのか?
⚪︎女性と男性の体力にはそれぞれ異なる特性があります。
男性は筋力が優れている傾向がありますが、女性は持久力に優れている可能性があります。
これは女性が脂肪をエネルギーに変える能力が高いからです。
(100kmマラソンの世界記録では,男性6時間13分33秒,女性6時間33分11秒となっているのでその差は20分(5%)ほどしかないのです。筋力の差に比べると多少の差になります。)
10. 女性アスリートの歴史は浅い
⚪︎多くのスポーツは男性中心に開発・発展してきました。
女性の体に起こる周期的な変化、例えば月経周期はパフォーマンスに大きな影響を与えます。指導者やアスリートがこれを理解し、適切に対応することで、より多くの女性アスリートが活躍する新しいスポーツ時代を築くことができるでしょう。
まとめ
男性指導者は女性の身体的特性を理解しつつ,特性に合った内容の指導に注意することで,女性アスリートが今後より良く競技パフォーマンを健康的に向上させることができるのではないか。
女性は自分自身の体の変化や状態に対し,知識を持つことで過剰な反応や対応をしてしまい健康被害を起こすことがないように注意したい。
健康あってのスポーツですよ。
- 女性アスリートは、生理的および心理的に男性とは異なる特性を持っています。これらの理解は、彼女たちがより効果的にパフォーマンスを向上させるためのキーとなります。
- 女性アスリートの月経周期は、トレーニングとパフォーマンスに影響を与えます。月経周期を理解し、それに適したトレーニングと栄養補給の方法を見つけることが重要!
- 女性は男性とは異なる心理的な特性を持つことがあり、これは自己評価やモチベーションに影響を与える可能性があります。一般的に、男性は試合に勝つことを重視し、女性はチームと一緒に努力することを重視!
- 女性アスリートは特定の健康問題、特に「女性アスリート三症候群」に対してリスクを持っています。これにはエネルギー不足、視床下部性無月経、そして骨粗鬆症が含まれる。
- 思春期の成長と発育は、体形の変化を伴い、運動能力に影響を及ぼす可能性があります。その変化を受け入れ、新しい体型に合わせて調整することが重要!
- 女性は男性に比べて脂肪をエネルギーに変える能力が高く、これは特に長時間の持久力競技において有利となる可能性がある。
- 女性アスリートの歴史は比較的浅く、そのため多くのスポーツは男性中心に開発・発展してきました。しかし、女性の体と心理に対する理解を深めることで、より多くの女性アスリートが活躍できる新しいスポーツ時代を築くことが可能である。
というのが今回の内容になります。
次回は「知っておきたい月経周期の基礎知識」を発信します。