トレーニングを頑張るみなさん,こんにちは!
今回は女性アスリート第二弾として少し具体的な月経周期編についです。
もっと深く知りたいよーって人はまたご自身でお調べ下さい。
簡単に10分以内に読める記事となっておりますので
男性指導者の皆さんや女性トレーニー,ダイエッターさんに読んで頂けたらと思います。
それではどうぞ。
1.月経周期の基礎知識:女性ホルモンとは
さまざまなホルモンが刺激し合って月経や排卵が起こります
女性ホルモンは卵巣で作られるが,自分で判断して女性ホルモンを分泌しているわけではない。
指令をしているのは脳の視床下部!
視床下部は
自律神経や呼吸,体温調整などをコントロールしている,生命維持の大切なところです。常に体のチェックしていて定期的に女性ホルモンの分泌をしてって命令している。
視床下部からの命令を下垂体が受けると卵巣で卵胞刺激ホルモンを分泌し,卵胞の成長を促す。
この時に分泌するのがエストロゲン。
卵胞を成長せる=エストロゲン
卵胞が十分に成熟すると視床下部は下垂体に命令を出し
黄体化ホルモンが分泌され,排卵しなさいと指令が出る。
そうなると卵胞から卵子が飛び出す。
その後,卵胞は黄体となってプロゲステロンを分泌する。
これが周期的に起こるのである。
簡略化すると二つ通り
エストロゲンが少ない場合
視床下部→エストロゲン出して→下垂体→卵胞刺激ホルモン→エストロゲン→子宮内で卵胞を成長
エストロゲンが多い場合
視聴下部→プロゲステロン出して→下垂体→卵巣→プロゲステロン→排卵→子宮内膜→月経OR妊娠
そんな感じ。
2.月経周期のメカニズム
月経周期は、先ほど説明したエストロゲンとプロゲステロンという二つの主役ホルモンによって制御されます。
月経周期は一般的に25〜38日であり、その中心点は排卵です。
排卵は卵胞から成熟した卵子が放出され、卵管によって子宮に向かうプロセスを指します。
その後、精子との出会いがあれば妊娠、なければ月経が始まります。
ホルモンのバランスは体調だけでなく心理状態にも影響を与えます。
そのため、女性アスリートは特に月経周期とホルモンの影響を意識することが重要です。
3.月経周期の確認:基礎体温
自分の月経周期を知ることはすべての女性にとって重要です。
まずはカレンダーに月経の始まりを記録しましょう。
さらに詳しく知るためには、朝起きた直後の基礎体温測定が有効です。
プロゲステロンが分泌している時は平均体温が高め
エストロゲンが分泌している時は体温低め
基礎体温を測定することで、月経周期の中でイライラしやすい時期や便秘になりやすい時期、体重が増えやすい時期などを把握することができます。
(一般的に女性は男性に比べて月の体重の変動が2.5kgほどあると言われております。)
女性の場合には体重がかなり変動するため,こまめに体重を測定する必要はないと思われます。
体重を計りその都度,一気一憂していては疲れますし,ストレスも溜まりますよね。
体重の測定は週に一回ほどにしておくことをお勧めします。
体温測定表はここを確認
①二相性になっているか?
高温期と低温期の二つがちゃんとあるかどうか。
②月経周期は何日か?
数え方は月経が始まった日から次の月経の前日までを数えます。
その日数が25〜38日以内であれば正常。
③体調の変化を確認
頭痛や腹痛,イライラなどの不快な症状がいつ出るのかメモしておいて,
月経周期とどのように関わるのか確認。事前に対策できるように。
④体重管理も月経周期と共に
週に一回,同じ曜日で固定すると体重の変動がわかりやすいでしょう。
4.月経周期とアスリートパフォーマンス
アスリートのパフォーマンスは、月経周期に大きく影響を受けることが研究により明らかになっています。
エストロゲンとプロゲステロンのバランスは、筋力、持久力、心肺機能、心理状態など、パフォーマンスに重要な要素全体に影響を与えます。
例えば、
卵胞期にはエストロゲンレベルが高まり、女性の体は高強度のトレーニングに対応しやすくなります。
しかし、黄体期に入ると、エストロゲンレベルが低下し、体はリカバリーモードに移行します。
黄体期に入ると関節が緩くなるとも言われております。
黄体期は,妊娠に備えるのでそれ以外の機能を抑えると思って下さい。
あまり無理しないようにして下さいね。
自覚するコンディションが最も悪い時期は
月経中と答える人が多かったですようで,特に2日目の体調が悪いようです。
個人差はあります。
逆にコンディションが良いと感じるのか月経終了後の数日と言われておりますが
こちらも個人差があります。
5.トレーニングと月経周期を同期させる
エストロゲンとプロゲステロンの変動を理解することで、アスリートはトレーニングスケジュールを調整し、そのパフォーマンスを最大化することができます。
例えば、エストロゲンが高い卵胞期には強度の高いトレーニングを行い、
プロゲステロンが優勢な黄体期にはリカバリーと低強度トレーニングに重点を置くことが有効です。
月経周期とトレーニングの同期は、トレーニングの効果を最大化し、リスクを最小化する手段となります。
また,黄体期は体温が高く消費カロリーも高くなっているので
食事量もいつもよりも少し多めにすることが好ましいです。
さらに黄体期は体重が1〜2kgほど増加する傾向がありますが
ほぼ水分(むくみ)なので気にしないようにしましょう。
(体重が落ちにくい時期です)
6.月経トラブルとトレーニング
一部の女性アスリートは、
月経周期による身体的、精神的な変化に悩まされることがあります。
これにはPMS(月経前症候群)や月経痛などがあります。
思春期の月経痛は子宮口が狭く細いことで,無理やり経血を押し出すことによる痛みの場合もあります。
骨盤周辺の冷えとかストレス,ホルモンの変化なんかも要因になります。
適切な栄養摂取や適度な運動、ストレス管理などを通じて、これらの症状を軽減することが可能です。
症状が重い場合(痛みが強くて外に出られない)には、医療専門家と相談することが必要です。
7.月経をチェックリスト
☑️初経(初めての月経)は15歳以降だった
☑️月経の初日から次の月経前日までは,24日未満で不規則
☑️月経の初日から次の月経前日までは,39日以上で不規則
☑️3ヶ月以上,月経がきていない
☑️月経で出血が続くのは3日以内,または8日以上
☑️月経痛がひどく,薬を飲まないと辛い
☑️薬を飲んでも効かないことがある。
☑️経血量は少なく,下着にうっすらつく程度
☑️経血量が多く,日中に夜用のナプキンを使っても1〜2時間で交換する必要がある
☑️夜の経血量が多く,夜に起きてナプキンを交換する必要がある
☑️月経前の1週間くらいから,腹痛,頭痛,疲労感,むくみ,乳房の張りなどの身体的症状がある
☑️月経前の1週間くらいからイライラや集中力の低下,気分の落ち込みなどの精神症状がある。
一つでも当てはまるようなら,大人や専門の医師にご相談して下さい。
まとめ
全ての女性アスリートにとって、自分自身の体を理解し、月経周期をうまく管理することがパフォーマンスを最大化する鍵となります。
自分の体としっかり向き合い、自身のパフォーマンスを高めるための戦略を練りましょう。
生涯に起こる月経は400回以上!
月に1回,年に12回,それを約38年間となると12×38=456回!
日数にすると,5日間×456回=2280日!
さらに年月にすると2280日÷365日=約6年ということになります。
月経の日数が約6年分もあるのでからそれは向き合わないとですね。
小学校入学から卒業までの間くらいの付き合いになるわけです。
そりゃ深い付き合いになりますね。
と言っても小学校は夏休みがあったり,9時〜16時くらいになれば終わるのに対して,月経は24時間ですからね…全然別物だと思います。
不快な思いもする月経ですがこんなにも多くの時間を不快にやり過ごすのは勿体ないと思います。
そもそも,月経があるということは健康な証拠。
健康な状態を維持したままトレーニングを続けて行った方が結果は出やすく,選手生命も長くなります。
正しく向き合い,月経周期を把握して不調や体重の変化との関わりを知れば,重要な試合でベストなコンディションを持って来れるように作成を立てることもできます。
個人差があることですので,必ず自分自身と向き合うことが大切です。
次回は「女性特有の健康障害について」を予定しています。